吸着跡の原因と対策

真空吸着による自動搬送では、「吸着」という把持方法の特性上、吸着跡(マーク)が懸念事項として挙げられます。吸着跡は、見栄えや塗装の均一性に影響を及ぼし、結果として製品不良や洗浄処理工程の追加など、コストの増加をもたらします。吸着跡の原因として、以下の要因が挙げられます。

ワークに残る吸着跡の原因

1. 真空パッドのゴムや成形時の離型剤に含まれるシリコン成分

2. ゴム化合物の微量な化学物質

3. 硫化ゴムの可塑剤の跡

4. 真空パッドのシールリップの摩耗

5. ワーク周辺の帯電粒子

 

シュマルツでは、吸着跡の各原因に対応するべく、マークレスゴムポリマーを使用した真空パッドや、吸着跡を軽減するアクセサリ、特殊なグリッパーを開発しています。

マークレスゴム製真空パッド HT1シリーズ

マークレスゴム製真空パッド HT1シリーズ
マークレスゴム製真空パッド

シュマルツのマークレスゴムポリマー HT1 を使用した真空パッドは、吸着跡の原因となるシリコンや塗装阻害物質(PWIS)を含んでいません。また、真空パッドの生産工程における成形時の離型剤として、シリコンオイルを使用していません。視認できる吸着跡や化学物質の転写を抑制するマークレスゴム製真空パッドは、ガラス・樹脂成形品・プリント基板・太陽電池用セルなどの吸着搬送に最適です。

マークレスゴム製真空パッド HT1シリーズの特長

マークレスパッド HT1シリーズの特長
マークレスゴムHT1製の真空パッドでは吸着跡を抑制
マークレスゴムHT1製の真空パッドでは吸着跡を抑制
一般的に使用される事の多いニトリルゴム製パッドでは、吸着跡が見受けられる
一般的に使用される事の多いニトリルゴム製パッドでは、吸着跡が見受けられる

【マークレス】

ゴム成分や生産工程にシリコンや塗装阻害物質(PWIS)を使用していないため、吸着跡を抑制します。
マークレスゴム製パッドを使用する事によって、製品の品質向上やコストの削減に繋がります。

 

【耐久性】

アルコールやオゾン、油に優れた耐性をもつため耐久性が高く、パッドの交換頻度を削減できます。
パッドのコストだけでなく、ダウンタイムを減らす事ができるため、生産性向上に貢献します。

 

【耐高温】

最大で短時間時170℃、長時間時140℃まで対応可能なため、射出成形機からの樹脂製品の取り出しなど高温ワークのハンドリングに適しています。

マークレスゴムHT1の製品ラインアップ

 

真空パッド

パッド径 [mm]

吸着力 [N]

ネジ径

クリーンルーム
対応製品

 フラット真空パッド Q / QN

280

0.1260

 M3(オネジ)
 M5
(オネジ/メネジ)
 G1/8
(オネジ/メネジ)
 R1/8
(オネジ)
 G1/4
(オネジ/メネジ)
 R1/4
(オネジ)

Q-6-HT1

 フラット真空パッド SG / SGN

10

4

 M5オネジ)

-

 薄いワーク向け SGP / SGPN

1540

5.533

 M5(オネジ/メネジ)
 G1/8
(オネジ/メネジ)
 R1/8
(オネジ)
 G1/4
(オネジ/メネジ)
 R1/4
(オネジ)

SGP-35-HT1

 1.5段ベローズ FGA / FSGA

678

0.4137

 M5(オネジ/メネジ)
 G1/8
(オネジ/メネジ)
 R1/8
(オネジ)
 G1/4
(オネジ/メネジ)
 R1/4
(オネジ)

FGA-25-HT1

 大型1.5段ベローズ FSGPL

100250

1501610

 G1/2メネジ)

-

 2.5段ベローズ FG / FSG

362

0.239

 M3(オネジ)
 M5
(オネジ/メネジ)
 G1/8
(オネジ/メネジ)
 R1/8
(オネジ)
 G1/4
(オネジ/メネジ)
 R1/4
(オネジ)

FG-3-HT1
FG-19-HT1

 長円フラット SGO / SGON

4x2

75x25

0.478

 M3(オネジ)
 M5
(オネジ/メネジ)
 G1/8
(オネジ/メネジ)
 G1/4
(オネジ/メネジ)

-

 溝付き・大型パッド SGF

125350

7305700

 G1/4メネジ)
 G3/8メネジ)
 G1/2メネジ)

SGF-125-HT1

 溝付き・1.5段 SAB

22125

16250

 G1/4(オネジ/メネジ)
 G3/8
(メネジ)
 角アダプタ

-

 溝付き・長円・1.5段 SAOB

60x30

140x70

38165

G1/4(オネジ/メネジ)
 G3/8(
メネジ)

-

 差し込み式・2.5段 SAB2-P

20

4.7

-

-

 

更なる可能性のご提案

より温度の高いワークの吸着搬送など、マークレスゴム製パッド HT1シリーズでは難しいアプリケーションにお応えするため、様々な製品をラインアップしています。

【 引き続き、現在の真空パッドを使用したい 】

パッドにPEEK製パーツを差し込み、ゴム成分の転写を抑制
パッドにPEEK製パーツを差し込み、ゴム成分の転写を抑制
パッドをカバーし、吸着跡を軽減
パッドをカバーし、吸着跡を軽減

真空パッドに装着可能なインサートやカバーをラインアップしています。真空パッドを変更せずに、吸着跡対策を行えます。

 

◆パッドの吸着面にPEEK製パーツを追加する事によって、 ゴム成分の
 転写や吸着時のワークの変形を抑制:
真空パッド用インサート SPI-PEEKシリーズ

 

◆パッドを不織布製のカバーで覆い、ワークへの吸着跡を抑制:
真空パッド用カバー SUシリーズ

【 ゴム片が付着する可能性のある製品の使用は控えたい 】

PEEK製プレートを使用し、吸着跡やコンタミネーションを抑制
PEEK製プレートを使用し、吸着跡やコンタミネーションを抑制

吸着面にPEEK製プレートを使用した吸着機器をラインアップしています。ゴム成分や摩耗したゴム片によるコンタミネーションが起こらず、吸着跡を抑制します。

ウェハーグリッパー SWGmシリーズ

ディスプレイガラス用グリッパー STGGシリーズ

【 ワークとの接触を極力減らしたい 】

ワークとの接触を最小限に抑えて搬送
ワークとの接触を最小限に抑えて搬送

エアクッションを挟みながらワークを引き寄せる非接触パッドは、接触を最小限に抑えて搬送する事が可能です。

非接触パッド SBSシリーズ

【 より高温のワークを吸着したい 】

より高温のワークの吸着に適した各種真空パッド
より高温のワークの吸着に適した各種真空パッド

ホットスタンピングなど、より高温のワークの吸着に適したパッドをラインアップしています。高温耐久ゴムを使用したHT2シリーズでは、マークレスゴムと同じく、シリコンフリーで生産されています。

200℃(短時間時最大350℃):
高温耐久ゴム製パッド HT2シリーズ

最大400℃:
耐高温パッド SPL-HT-FPM-Fシリーズ

最大600℃:
耐高温パッド SPL-HTシリーズ