2023/10/09

人間工学と高技術による木工業界へのインパクト

大きな板や重いドアは、1人では搬送できません。Rothfuß社は、以前からシュマルツの真空リフターを使用して大型ワークの搬送を容易にしてきましたが、1年前に新型のバキュマスターウッドを実地テストとして導入しました。「以前の真空リフターも良かった」と大工であるAlexander Bohnet氏は述べましたが、「しかし」と続けました。新型の真空リフターは、特に木工業界にとって、どのようなインパクトがあったのでしょうか？

Alexander Bohnet氏は、バキュマスターウッドを使用して負荷なく250 kgまでの木板を搬送します。搬送後に木板はサイズに合わせてカットされます。

Alexander Bohnet氏はインタビューの中で「現代の大工仕事は、古いイメージとは全く異なり、実際は先端技術で支配されています」と明言しています。Alexander Bohnet氏は1992年からフロイデンシュタット近郊のショプフロッホにあるRothfuß社で働いています。見習い期間終了後、彼はマスタースクールに通いました。その間、義弟のThomas Rothfuß氏が経営する家業の代表も務めていました。約2,000平方メートルの生産場で、17人の従業員がハウジング、防火ドア、家庭用家具、キッチンのほか、家具材や業界向けの特殊部品を製造しています。その中には、無垢材を使用したマシン用外装材、CNC加工による成形部品、展示用家具などが含まれており、真空式自動・手動搬送システムやクランプシステムを取り扱うシュマルツにも納品しています。

バキュマスターはクレーンレールにつり下がっているため、直接ラックまで運ぶこともできます。

∼ Rothfuß社の社員、Alexander Bohnet氏

ここでは、サンディングブロックや作業台の代わりに、CNCフライス盤やボール盤、水平方向パネルソー、エッジバンディングマシンが使用されています。「このような近代的な機械があれば、精密加工はもちろん問題ありません。しかし、問題は熟練工の不足とそれに伴う時間の不足です」「若者がこのような仕事に就きたがらないのは、ロールモデルの欠如とソーシャルメディアが原因です。大工は無から有を生み出す魅力的な職業です。」とAlexander Bohnet氏は述べます。そして彼らは、それを近代技術で実現します。Rothfuß社では、パネルソーを使用して木板を短冊状に切り分け、4面かんな盤で正確な角材に仕上げます。このようにして、CNC加工機でさらに加工する準備が整うのです。

「ジャンボエルゴを導入する価値はあった」

人間工学的に設計された真空リフターのおかげで、従業員の身体的負担は軽減されました。Alexander Bohnet氏が回想するように、20年以上前の状況は違っていました。「当時は、重いハウジングや防音ドア、大きな合板をCNCマシンに投入するのに、常にもう一人必要でした。加工時間が短かったので、その作業をする意味はほとんどありませんでした。」こうして、作業場にシュマルツの真空リフターである「ジャンボエルゴ」を導入することになったのです。「一人で楽にワークの積み下ろしが可能になったので、導入する価値がありました」とAlexander Bohnet氏は強調します。2011年から2012年にかけて水平方向のパネルソーが導入された後、作業はジャンボエルゴからスイベル式のバキュマスターに切り替わりました。納品される板は通常2.8 × 2メートルですが、5メートルになることも珍しくないといいます。板の厚さは最大60ミリで、重さは200キロを超えます。「扱いにくく重いですが、バキュームリフトの長い操作ハンドルを使えば、合板を一人で楽に作業台に置くことができます。そして、作業者は真空リフターを使用して残材を持ち上げて回転し運搬台車にのせて運びます。バキュマスターはクレーンレールにつり下がっているので、直接ラックまで運ぶこともできます」とAlexander Bohnet氏は補足します。

同社は真空リフターだけではなく、CNCマシンの真空クランプブロックもシュマルツの製品を使用しています。「シニアマネージャーもシュマルツと協業していました」とAlexander Bohnet氏は述べます。その理由は、品質だけでなく距離の近さにもあります。「両社は4キロしか離れておらず、私たちはHOMAG社やシュマルツ社を含め、近隣に良いマシンの提供先があることを重要視しています。また、その協力関係はいつも非常に良好です」とAlexander Bohnet氏は付け足します。Rothfuß社はシュマルツの顧客であるだけでなく、サプライヤーでもあるのです。

より人間工学的にアップデート

2022年、シュマルツはRothfuß社に連絡しました。真空の専門家であるシュマルツは、新しいバキュマスターウッドの実地テストにこの会社を選んだのです。機器の交換は1日もかからず、従業員は新型のバキュマスターを幅広く試すことができました。Alexander Bohnet氏は、バキュマスターウッドを使用することでより快適に搬送できることにすぐに気が付きました。「以前は3つの異なる操作エリアがありました。まず、メインスイッチで真空発生器のスイッチを入れます。80センチ離れた場所には、荷物をピックアップ、スイベル、リリースするボタンがあり、さらに40センチ離れた場所には、電気チェーンブロックを操作するボタンがありました。現在は、操作ハンドル上の手の届くところにすべてが集約されています。両手で安全にバキュームリフトを持ち、手を伸ばすことなく親指でスイッチを操作することができます。」とAlexander Bohnet氏は説明します。また、彼は新しい真空リフターはより軽量でコンパクトになったと述べています。「もちろんクレーンレールが荷重を担ってくれますが、木板だけでなく、リフターの重量も一緒に引っ張らなければなりません。以前から良かったのですが、新しいバキュマスターウッドは、より簡単で人間工学的に正しい作業への重要な一歩となりました」とAlexander Bohnet氏は要約しました。