dmストアの繊維流通センターでの人にやさしく設計された搬送工程

dmストアの店頭に並ぶ製品は、シャンプー、歯ブラシ、デオドラント用品だけではありません。dmストアの製品群は、健康、栄養、写真、ベビー服・子供服の分野にまで及びます。ヨーロッパ13カ国に3,600店以上あるdmストアには、さまざまな配送センターから商品が供給されます。そこでは、従業員がそれぞれのdmストアのために入荷した品物を組み立て、12,500を超える幅広い製品群を常に顧客に提供できるようにしています。

カールスルーエの繊維流通センターでは、現在約160名の従業員が働いています。ドイツの全店舗とオーストリア、クロアチア、スロベニアの一部のdmストア向けに、子供服、バスルームアクセサリー、化粧品袋を11,000平方メートル弱のエリアで配送しています。毎年、サイズ4種類、重さ30 kgまでの約48万個の小包がここで梱包・配送されています。

「当初は1日に約800個の小包が保管されていましたが、今では平均1,850個の出荷があります」とカールスルーエの繊維物流部門の責任者であるAlexander Fiedler氏は報告します。元のホールのレイアウトでは、もはや対応しきれないほどの出荷の増加です。「当初から、シュマルツの真空バランサーJumboFlex 35と柱付けジブクレーンを組み合わせて、大きな段ボール箱を積んでいました」と、物流担当者は振り返ります。しかし、搬入エリアの改築後、既存のシステムは新しいレイアウトに最適なデザインではなくなりました。柱付けジブクレーンの長さは、設計変更された包装ラインにはもはや十分ではなく、標準的な真空バランサーを備えたシステムでは積み上げ高さに制限がありました。

これらの課題は、新しいシステムによって克服する必要がありました。その目的は、一方ではプロセスを最適化し、他方では従業員がより働きやすくすることでした。トラック内の空中スペースが有効化され積載量が増加することで、輸送コストが最小限に抑えられ、CO2収支がさらに改善されました。また、以前のシステムの組み合わせでは、倉庫スタッフが使用する際に人間工学的な弱点がありました。包装品はパレットに載せるのではなく、台車に積まれていました。「従業員は、後列の包装品に到達するために、事実上、ロールカートに乗り込まなければなりませんでした」これは、物流担当者が語るように、ワークフローに悪影響を及ぼしていたのです。

人間工学的で効率的なソリューションを求めて、物流担当者は当初、部分的または完全に自動化されたソリューションも検討しました。「私たちは常に異なる種類の段ボール箱を積み込む必要があるため、それは経済的でも実用的でもありませんでした」とFiedler氏は説明し、「手動搬送ソリューションは必要な柔軟性を提供し、導入コストも安く、迅速です」と追加しました。物流という目的だけでなく、社員が納得できるソリューションという要望もあり、同社の担当者は再びシュマルツにコンタクトを取りました。シュマルツとすでに付き合いがあり、カールスルーエに拠点を置く同社は、建設的でソリューション志向の協力関係を再び頼りにしました。

JumboFlex High-Stack（ジャンボフレックス・ハイスタック）は、高い位置での搬送のために特別に開発された真空バランサーです。また、パレットの最下層などの床面近くの荷物を背中に負担のかからない方法でピックアップすることができます。シュマルツの搬送ビジネス開発プロセス責任者であるMichael Schlaichは、「私たちはJumboFlex High-Stackと軽量なクレーンシステムを組み合わせて設計しました」と説明します。位置調整が容易な真空グリッパーによって、さまざまなサイズの段ボール箱も問題なく把持できるようにしました。シュマルツは、真空発生器のノイズレベルを下げるサイレンサーボックスによって、より快適な環境を実現し、配送センターの作業員がシステムソリューションを受け入れることに大きく貢献しています。また、真空バランサーには無線リモコンが装備されており、作業者が休憩中に操作ハンドルで直接真空発生器のスイッチのオン・オフが可能です。「これにより、ノイズレベルをさらに低減し、省エネを実現しました」とSchlaichは説明します。全体的なコンセプトの統一は、意思決定者を納得させただけではありません。「私たちは、早い段階から現場の社員を巻き込み、JumboFlex High-Stackの機能をフィールドテストで試すことができました」とAlexander Fiedler氏は説明します。

現在、段ボール箱は3本の平行なローラーコンベアによって搬入エリアに到着します。「このようなレイアウトが可能になったのは、新しい搬送アシスト装置を使えば、真ん中のレーンも身体をねじらずに届くからです」と物流担当者は補足します。従業員は高さ約40 cmの台の上に立つことで、従来よりも使い勝手が良くなりました。そして、JumboFlex High-Stackを使用して、215 cmの高さまでパレットに包装品を積み上げます。「長い回転式の操作ハンドルのおかげで、パレット上のすべての保管位置に、下層から最上層まで身を屈めずに楽な姿勢で到達することができます」とSchlaich は強調する。連続的に回転するユニットは、動きの自由度が高く、ホースがねじれるのを防ぐことができます。これにより、機器をあらゆる方向から柔軟に作動させることができます。荷が急に落下するのを防ぐため、作業者は荷を降ろしたときだけ荷の取り外しが可能です。作業者は荷物を完全に下ろすためにボタンを押したときだけ、2番目のレバーを操作して真空を解放することができます。さらに、グリッパーの大気開放は非常に速いため、真空バランサーを解放するために追加の力を必要としません。

「新しいソリューションは2018年11月から作動していますが、私たちの期待に十分に応えてくれています」とAlexander Fiedler氏は総括します。積み重ねの高さが増えたことで、トラックの積載量をより有効に使うことができ、その結果、毎日の輸送回数を減らすことができました。社員からのフィードバックも同様に好意的です。「彼らは搬送アシスト装置を非常によく受け入れ、クレーンシステムの使いやすさを賞賛しています」とFiedler氏は出荷エリアでの印象を語ります。