シュマルツ・スパイダー - 木材構築の便利な助っ人
SSPは、水平方向 (横置き) に並べられたボードを吊り上げ、わずかにずらして4つのスタックに積み重ねます。
シュヴァルツヴァルト (黒い森) では、トウヒ、モミ、ブナ、オークなど様々な種類の木材を生産しており、これらの木材は構築、家具生産、紙生産、その他の産業アプリケーションに使用されています。2021年にゼーヴァルトに設立されたHolzBauWerk Schwarzwald社は、クロスラミネート・ティンバー(CLT)に特化した木材加工会社です。15,000平方メートルのカバーエリアで、地元のトウヒと黒い森のシルバーモミの木材から年間20,000立方メートルのCLTを製造しています。製品は、ドイツ、スイス、フランス、ベネルクス諸国の木造建築プロジェクトに使用されています。
当社の従業員は、自動化されトラブルのないプロセスを保証する真空グリッピング システムでの作業を気に入っています。∼ HolzBauWerk Schwarzwald社 マネージング・ディレクター、イェルク・キューブラー氏。
HolzBauWerk Schwarzwald社は2022年9月に生産を開始し、現在約40人の社員を雇用しています。同社では完全自動化システムを使用し、少なくとも3層の針葉樹ボードを横に並べてフラットな状態で糊付けし、無垢木材のシートを製造しています。厚さは6~32センチ、幅は最大3.5メートル、長さは最大16メートルにもなります。このシートは、平らで頑丈な壁や天井、屋根を製造するのに適しています。1990年代に発明されたこのシートは、持続可能性、安定性、防火性、熱効率、地震安全性などの利点により、2010年代以降、近代木造建築においてますます人気が高まっています。
すべて自分たちで
高品質かつ安定した品質を確保するため、同社はすべての木材の乾燥工程から自社で行っています。次のステップでは、社員が製材された木材を視覚的、技術的な基準に従って選別、分類します。次に、シュマルツの真空グリッパー FMHDを5台使用したハンドで板のレイヤーを吊り上げ、バッファーストアの4か所に少しずつずらして積み重ねます。別置きされた真空発生器が、堅牢な吸着システムに必要な真空圧を供給します。統合されたシステムモニタリングとセンサー技術が、吸着ハンドの安定した動作をサポートします。5台のFMHDは、吸着面のスポンジにより、重く表面が粗いワークも容易に扱うことができます。くぼみや反り、凹凸、ひび割れがある場合にも吸着を妨げません。真空タンクとメンテナンスしやすい設計により、消費エネルギーを抑えスムーズなプロセスを確保します。
その後のCLT製造では、まず4台のFMHDを備えた別の吸着ハンドが製品群を解梱します。製造プロセスは完全にデジタル化され、バッチサイズ1で異なる厚みとエリアの木板が生産されます。「最初の工程では、品質要件に応じて、樹脂ポケットや割れ、節などの”不良”が切り取られます。次に、フィンガージョイント線が製材された木材を接続し、いわゆる連続的なカットボードを形成します。短くなった帯板は、幅の狭い側で接着され、単層板になります」と、HolzBauWerk社の設計・接合部門の責任者であるアンドレアス・バウアー氏は説明します。このプロセスにより、目に見えない表面、高い通気性のなさ、優れた防火性、最適な強度が保証されます。
安全なグリップ
次に、FMHDを備えた3台目の吸着ハンドが、複数のシングルレイヤーパネルを交互に積み重ねます。もう一台の同じ吸着ハンドが、CLTプレス機への供給を行います。各単層シートが配置された後、吸着ハンドが次のシートを上に配置する前に、最終製品に必要な凝集力を確保する接着剤が塗布されます。「私たちは、健康に無害で、硬化後に成分を解放しないPU接着剤を使用しています。」と、バウアー氏は話します。
油圧式CLTプレスは、縦と横のレイヤーでできた単層パネル、いわゆるプレスケーキを高圧で首振りし、実際のクロス集成材を形成します。このプロセスにより、適切で非常に薄い接着層と、寸法精度の高いまっすぐなシートが保証されます。CLTシートはブロックプレスの後、天井クレーンに取り付けられた2本の吸着ハンドで搬送されます。そして、反転機、ワイドベルトサンダー、CNCマシニングセンターに未加工のパネルが供給され、そのパネルからすぐに施工可能な建築部材が製造されます。
マシンセンターでのプロセス後、5台目の吸着ハンドでカットされたシートをピックアップします。この小型の吸着ハンドは高耐久仕様 (HD:heavy duty) で、2.5トンの積載が可能です。これを可能にしたのが真空パッド SPUです。この真空パッドは、フラットで滑らかなワークの搬送はもちろん、小さな寸法で高い吸着力を発揮するため、表面が少し粗いワークの搬送にも適しています。吸着ハンドは、カットエレメントとカットアウトを真空の力で持ち上げます。個々の真空パッドは、要件に応じて吸着のON/OFFを管理することができます。使用していない真空パッドは、真空エアの漏れを防ぐために自動的に停止します。
オーダーメイドソリューション
シュマルツは、HolzBauWerk社のさまざまな搬送タスク用に、すべての真空グリッパーシステムを個別にデザインしました。基本的なアルミ部品の質量が軽く、保持力が高いため、高速サイクルが可能です。「システム一式を図面化する際、私たちは長年の経験とドイツ国内外の多くのシステムを活用することができます。」シュマルツのシステム営業部長で、HolzBauWerk社や真空技術の実現に関わるサプライヤーをサポートしたフィリップ・ボーネットは語ります。「グラッテンにあるテストセンターでは、顧客サンプルを使った吸着テストも行っており、潜在的な弱点を即座に特定し、適切なソリューションを考案しています。これにより、プロセスの信頼性と迅速かつ容易な統合を、早い段階から提案することができます。」
木材加工会社は2022年9月からシュマルツの真空技術を使用しています。「2021年春の最初のコンタクトから、見積もり作成、プロジェクト計画、操作開始時、そして本稼働まで、すべてがスムーズに進みました」とHolzBauWerk Schwarzwald社のマネージングディレクター、イェルク・キューブラー氏は話します。「真空グリッパーシステムは、自動化されたトラブルのないプロセスを確保するため、社員も楽しんで作業しています。システムには名前まで付けられています」と、ウィンクを交えて付け加えました。キューブラー氏が気に入っている点は他にもあります。「会社はすぐ近くにあるので、問題が発生した場合はすぐにサポートを受けることができます。」
吸着ハンドには4台の真空グリッパー FMHDが使用されており、個々のボードを積み重ね、クロスカットに送る
ボードがシングルレイヤーパネルに接着された後、FMHDを備えた別の吸着ハンドが全自動シート保管システムにシートを移載する
天井クレーンに取り付けられた2台の吸着ハンドが、クロスラミネート・パネルを次の工程で使用できるようになるまで積み重ねる
CNCセンターでのプロセス終了後、吸着ハンドは、最大2.5トンにもなるカットシートとその切り出しをピックアップする
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