Schmalz

ワークへの負荷を抑えた保持と高い柔軟性

真空吸着は、繊細なプラスチックシートを均等かつ強力に保持します。この革新的なプロセスを特徴づけているのは、クランプの高い位置精度と吸着力の穏やかな配分です。製造サービスプロバイダーであるSiSS社は、シュマルツの真空クランプシステムを導入することでプラスチック部品の確実かつ効率的に製造を実現しました。

FlexMatを使用することで、工具を使用してマットに穴や開口部を作ることができます。

プラスチックは軽量なだけでなく、耐食性や強度に優れ、さらに絶縁性を備えています。複雑なデザインでの加工も可能なため、電子機器の部品として多く使用されています。しかし、プラスチック部品の製造プロセスには、製品を破壊しないための繊細さが要求されます。SiSS社は、これまでCNCマシニングセンターでの加工時に油圧クランプを使用しており、定期的にワークの破損が起きていたため、解決策を探していました。

設置は簡単で、すぐに完了しました。
∼ セバスチャン・ブルスター、SiSS社 プログラミング・チームリーダー

SiSS社はバーデン州シュタインバッハで様々な業界向けの複雑な機器やシステムを製造しています。約18,000平方メートルのエリアで、65名の社員が医療用機器に加え、充電インフラ、冷蔵システム、鉄道用のソリューションなどを製造しています。機械加工、溶接、レーザー技術、薄鋼板の成形、粉体コーティング、表面処理など、作業範囲は多岐にわたります。同社は波乱万丈の時代を乗り越えてきました。SiSS社はMedifa GmbHを母体としていますが、2022年秋にMedifa GmbHが破産申請をしたことで2023年11月に独立しました。昨年、Weinmann Aach AG社が生産拠点を引き継ぎ、SiSS (Solutions in Style, Steinbach) という社名を残して運営を続けています。 Weinmann Aach AG社は、5万平方メートルの保管スペースを有し、金属製形材、パイプ、ロッド、ビーム、薄鋼板、板金などを幅広く取り扱う金属ソリューション・プロバイダーです。

油圧から真空へ

SiSS社はCNCマシニングセンターでPVC、PTFE、アクリルガラスなどを材料としたプラスチック部品を製造しています。同社では、これまでワークトップ上で部品を固定するために油圧バイスを使っていました。「万力で圧縮されたプラスチック部品の損傷が繰り返されていました」とセバスチャン・ブルスター氏は振り返ります。ブルスター氏はSiSS社のプログラミング・チームリーダーで、プロセスの欠陥や不合格品のサイズに悩まされていました。

Weinmann Aach社の社員は、シュマルツの真空ソリューションに注目しました。真空システムを使用することで、様々なサイズの部品を素早く簡単に、そして何よりも損傷を与えることなく固定することができます。ブルスター氏はすぐに相談を持ちかけました。彼の目的は、新しいクランプシステムを経験することでした。SiSS社と共に、シュマルツの真空のエキスパートが要件に合った治具を実現しました。ソリューションはマシンテーブル用のマトリックスプレートで構成され、いわゆるイノシュパンスチールプレートのサポートとして機能します。さらにゴム材質のマットを使用することで、真空でのワーク固定をより安定させます。ドライ真空ポンプが必要な真空を供給します。

十分に検討された技術

金属加工用マトリックスプレート MPL 600×400×28 はアルミ製で、表面にフライス加工によるグリッドがあります。エア漏れを防ぎ、真空を利用してワークを直接クランプできます。さらに、ワークを面で保持することで、少ない張力でワークを固定でき、特に柔らかく薄い製品に適しています。フライス加工されたグリッドにより、真空エアが表面に均一に分散されます。また、シールコードを使用することで真空エアが供給されるゾーンを制限することができます。SiSS社はマトリックスプレートをマシンテーブルの少し高い位置に取付けました。プレートの上面にシートを敷くことで、真空回路を保護しています。付属の接続セットを使って真空ポンプと接続し、ゲージを取付けました。「設置は複雑ではなく、短時間で終わりました」とブルスター氏は説明します。

SiSS社のシステムでは、イノシュパンスチールプレート (ISST) を使用しています。この厚さ3ミリの薄鋼板は、耐腐食性の磁性鋼でできています。直径7ミリの真空用穴径が一定間隔で開いています。「ISSTは直接ワークを固定するのではなく、固定治具に真空を供給するために使用されます。専用のクランプブロック、または現在SiSS社が使用しているFlexMatを組み合わせることでワークを安全に保持することができます。」シュマルツの製品管理担当であるアレクサンダー・クリンクは説明します。

FlexMatはプラスチックシートを直接固定します。工具を使って穴や開口部を作ることができるため、ワークのエッジ部分も加工可能です。FlexMatの裏側には、イノシュパンスチールプレートの真空径にフィットする取付用の突起があり、安全な装着を実現します。下面にもスペースがあり、32の分離した吸着セルに真空エアを誘導します。このマットは、幅広いプロセスに対応可能です。破損していなければ、何度でも再利用できます。

ドライ真空ポンプのEVE-TR-40-AC3-Fは、堅牢でメンテナンスが簡単です。スライディングベーン型圧縮機構により、振動の少ない作動と低脈動連続駆動を実現します。電力消費量が少ないため、経済的な連続運転に最適です。コンパクトなポンプにはファンが内蔵され、常時潤滑のベアリングが装備されています。

プロセスの改善に成功

SiSS社では、作業担当者がプラスチックシートを手動で機械にセットします。その後、手動式スライドバルブを使い、マシンテーブルで直接真空回路を開くことができます。真空ゲージにより、社員は常に真空状態を確認することができます。「ワークが傷つくことなく、作業台にしっかり収まるようになりました」と、バースター氏は嬉しそうに語ります。加工機を使用しプラスチックシートからさまざまな部品を切り出します。しかし、不要な部分を完全に除去するのではなく、0.2ミリの層の高さを残して加工します。フライス加工が終わると、作業者が完成したシートを取り出し、手動でワークを取り外し、バリ取りを行います。「社員は、さまざまな機器を簡単に取り付けられることにとても満足しています」とSiSS社のチームリーダーは話します。このソリューションは、経済的な観点からも優れています「真空クランプシステムを使用するようになってから、破損したシートがなくなりました。また、加工部品の精度・品質も向上しました」と彼は強調します。

SiSS社は、この真空ソリューションによって将来への展望が開けたと考えています。「システムはモジュール式で簡単に拡張できます。例えば、傾斜したワークの水平方向加工が必要な場合は真空クランプブロック (ISBL-HD) を使うことができます。つまり、あらゆる事態に備えることができるのです。」SiSS社のモットーは多品種少量生産です。つまり、バッチサイズが1の製品から120の製品まで、さまざまな形状を製造し、カスタマイズされた製造を提供しているのです。このようなプロセスは、優れた技術があってこそ、利益を上げることができます。「シュマルツのサポートは最高でした。営業スタッフはとてもフレンドリーで親切です。これは、シュマルツをプロセス改善の第一候補としている理由のひとつです。」

マトリックスプレート、イノシュパンスチールプレート、FlexMatの組み合わせにより、繊細なワークにも優しく安全なホールドを確保します。

マトリックスプレートは、T-スロットテーブルの少し高い位置に取付けられています。

プラスチックシートは真空の力を利用して傷つけずに固定されます。

加工プロセスが完了したら、真空を解放してシートを取り出すことができます。

シュマルツの製品マネージャー、アレクサンダー・クリンク (右側) の説明で、プログラミング・チームのリーダー、セバスチャン・ブルスター氏はFlexMatの利点をすぐに納得しました。

プレスリリースに関するお問い合わせ

プレスリリースに関するご質問・ご意見はこちらにお送りください。広報担当者よりご回答いたします。

schmalz@schmalz.co.jp

Schmalz Companies

Select your Schmalz Company in one of the following regions:

Regions

Your region is not listed?

Schmalz maintains an international sales network with sales partners in over 80 countries. Please select a language for our international website.

アクセスしようとしているURLは、正しい言語または国のコンテキストではありません。

お客様のアカウントに関連付けられたストアのチャンネルが、要求されたURLのチャンネルと一致しません。価格の表示または注文を行うには、ユーザー固有のチャンネルに切り替えてください。

シュマルツへのお問い合わせ

0 商品がカートに入りました

ショッピングカートへ