風力タービンの様々な部品を取り出し搬送するバキュームリフト「バキュマスター」

ローターブレードの製造工程では、主桁を金型から取り出して運搬する必要があります。主桁の重量は約1.8トン、寸法は37 × 1 m (縦 × 横) 。厚さは10〜40 mmしかないため、非常に繊細で不安定なワークです。主桁はエポキシガラス繊維の積層でできています。

シュマルツのバキュームリフトを導入する前は、主桁はくさびを使って型から外し、クレーンとリフティングストラップを使用して搬送と位置決めを行っていました。このためワークを損傷する危険性があり、搬送には少なくとも3台のクレーンが必要でした。

バキュームリフト「バキュマスター」は、この取り出し工程を大幅に簡素化しました。昇降装置には11個の真空吸着パッドが装着されており、ワークを優しく確実に吸着します。2つの冗長真空回路と布製固定ストラップにより、搬送工程全体を通じて確実な保持が可能です。真空吸着パッドの高さは、リニアアクチュエータで最大1,000 mmまで調整でき、ワークの位置合わせを行うことができます。リニアアクチュエータは、異なるワークに合わせてプログラムすることができ、昇降装置の操作コンソールを使用して制御されます。

バキュームリフト「バキュマスター」のおかげで、ローターブレードの全搬送工程に必要なクレーンは2台のみとなりました。