自力で300 kgの重さを持ち上げられないことは誰もが知っています。しかし、もっと小さい重さでも筋骨格系に大きな負担がかかることを知っている人はほとんどいません。物流業務に携わる従業員は、1日に合計数トンを持ち上げています。私たちは、この負担を軽減したいと考えています。∼ 手動搬送システム事業部責任者Mattias Lindh

エルゴノミクス(人間工学)の基礎知識
エルゴノミクス(人間工学)の基礎知識
健康的で生産的な仕事
エルゴノミクス(人間工学)はどこにでも存在する論題です。この言葉はギリシャ語に由来し、人と労働環境との最適な相互作用を意味します。エルゴノミクスに基づいてデザインされた職場とはどのようなものでしょうか?エルゴノミクスが従業員の健康に果たす役割とは?また、エルゴノミクスは熟練労働者不足とどのような関係があるのでしょうか?シュマルツでは、このようなエルゴノミクスの基本について日々取り組んでいます。そして、仕事が人々に最適に適応するソリューションを開発しています。その逆ではありません。私たちの仕事と経験を喜んで皆さんと共有したいと思います。
エルゴノミクス(人間工学)とは何か?
エルゴノミクス(人間工学)とは、古代ギリシャ語の "ergon"(仕事)と "nomos"(法律)という言葉から構成されています。この用語の現代的な意味はポーランドで生まれました。1857年、研究者であり教授であったヴォイチェフ・ヤストシェンボフスキが「エルゴノミクス概説」を発表し、科学的知見に基づく労働の科学が確立されました。その目的は、疲労のない労働のための最適な条件を作り出すことです。これは環境だけでなく、行動やプロセスも含まれます。今日、この用語は身体的な側面だけでなく認知的な側面も含まれているため、目に見えるものだけでなく、単調作業、マルチタスク、遂行へのプレッシャーなどに関連する側面もすべて考慮されています。エルゴノミクスは、安全性、生産性、持続可能性に並ぶ、手動搬送の4つの柱のひとつです。
労働安全と予防
安全靴、フロアマーカー、セラバンドの共通点とは何でしょうか?外部からの保護であれ、体力向上であれ、人々の健康を維持するものです。肉体労働の分野では、法律がこの保護・予防機能を担っています。
1996年8月、ドイツでは新しい労働安全衛生法(ArbSchG)が施行されました。この法律は、労働安全衛生とその監視に関する雇用主と従業員の義務と権利を規制します。ArbSchGの目的は、職場における事故や病気を防止し、人間らしい作業環境を実現することです。この目的を達成するために、雇用主または雇用主によって任命された人物は、リスクアセスメントを実施し、そこから必要な労働安全対策を導き出す義務があります。
職場で手作業で荷物を持ち上げたり、運んだり、移動したり、引っ張ったり、押したり、降ろしたりする必要があるすべての雇用主と従業員は、ArbSchG の枠組み内の荷役作業規則 (LasthandhabV) に準拠する必要があります。 工程内で定められたガイドライン値を超えた場合には、労働安全衛生法に基づき従業員の健康を保護するための措置を講じなければなりません。 基準特性法は、重量、作業時間、姿勢などの側面を考慮することで、実際の肉体的な作業負荷を決定・評価するのに役立ちます。
荷物の持ち上げと運搬
日本では、16歳未満・18歳未満・女性は「労働基準法」で重量物の取り扱いが制限されています。また、18歳以上の成人男性は重量が体重のおおむね40%以下になるように努めることが「職場における腰痛予防対策指針」で定められています。
作業内容 | 性別 | 年齢 | 重量物の取り扱い制限(kg) | |
---|---|---|---|---|
断続作業の場合 | 継続作業の場合 | |||
重量物取り扱い | 男性 | < 16* | 15 kg | 10 kg |
16 - 18* | 30 kg | 20 kg | ||
> 18*** | 体重のおおむね40%以下 | |||
女性 | < 16* | 12 kg | 8 kg | |
16 - 18* | 25 kg | 15 kg | ||
> 18** | 30 kg | 20 kg |
*「年少労働基準規則」第7条の規定
**「女性労働基準規則」第2条の規定
***「職場における腰痛予防対策指針」の規定
エルゴノミクス(人間工学)に基づいた正しい作業をするためには、正しい姿勢も同様に重要になります。荷物が体の重心から離れれば離れるほど、持ち上げや運搬時にかかる負荷が大きくなります。「荷重負荷」とは、人が荷物を搬送する際に実際に発揮しなければならない力を示します。
手動搬送の基本柱
真空リフターは、企業が労働安全衛生法で定義されている注意義務を果たすのに役立ちます。真空リフターは健康的な作業環境を作り出し、荷物を持ち上げたり運んだりする際の健康被害のリスクを最小限に抑えます。しかし、健康的な運搬作業とはエルゴノミクス(人間工学)だけに紐づいているわけではありません。シュマルツでは、リフト補助装置をうまく使用するための4つの柱を定義しました。エルゴノミクスに加えて、安全性、生産性、持続可能性です。
シュマルツの真空リフターは、現行の安全基準とガイドラインに適合しており、多くの場合、それを上回っています。分かりやすい配色と記号、直感的な作動コンセプト、警報ブザーなどにより、作業ミスを防ぎます。
安全性は生産性にプラスの効果をもたらします。なぜなら、安全で人に優しい作業は、安定したパフォーマンスにつながるからです。当社のリフト装置は非常に繊細で、作業者は正確にワークを配置することができます。また、真空による吸着はワークの表面を保護し、損傷を防ぎます。
シュマルツでは、持続可能性を最優先事項としています。シュマルツの製品は高品質で、長寿命に設計されています。生産においては、再生エネルギー、省エネ生産プロセス、分離可能でリサイクル可能な材料の使用を重視しています。摩耗部品は簡単に交換できます。持続可能な運用のために、吸込能力の異なる真空発生器と、機器のオン・オフを切り替える無線リモコンを提供しています。
優れたエルゴノミクス(人間工学)、AGRの品質認証シール
人間工学に基づいて設計された作業機器は、筋骨格系障害の予防と治療において重要な道具です。Aktion Gesunder Rücken (AGR) e.V.(ドイツ脊椎健康推進協会)は、ドイツの2大脊椎トレーニング協会と協力して、作業機器の調達などにおいて方向性を示す補助となる品質認証シールを制定しました。認証シールが貼られた製品はすべて、厳正な審査を受けています。
シュマルツの真空リフターは、AGRの品質認定を受けています。真空リフターは、エルゴノミクスに基づいた正しい姿勢で荷物の持ち上げを促進し、背骨や腰に優しく作業できることを、様々な医療分野の専門家からなる脊椎健康推進協会が確認しています。さらに、作業者のモチベーションを高め、作業プロセスをスピードアップし、病欠を最小限に抑えます。

お問い合わせ
神奈川県横浜市都筑区大棚町3001-7
エルゴノミクス(人間工学)の実践
エルゴノミクス(人間工学)に関するその他の情報

グリッパーが違いを生む
Aliaxis Deutschland社の生産工場を見学すると、真空バランサー「ジャンボフレックス」がいかに多機能であるかがわかります。数台の真空リフターとクレーンが日々の作業を円滑にしています。

フォークリフトで移動可能
JYSK社は社員の健康を願っています。腰痛予防のため、移動式真空バランサー「ジャンボフレックスぴかー」は物流倉庫でのピッキング作業を容易にします。

エルゴノミクスに基づいた全体コンセプト
dm-drogerie markt社の繊維流通センターのために、シュマルツは作業量の増加に伴う人間工学的要件を満たす効率的な全体コンセプトを開発しました。

AGR認定シールの詳細はこちら
AGR(ドイツ脊椎健康推進協会)認定のシュマルツ製品、および認証シールに関する詳細は、こちらをご覧ください。